5km20分切りは市民ランナーの上位8%しか達成できない至高の領域です。

X(旧Twitter)やInstagramを見ていると、皆当たり前のように5km20分を切って走っているので感覚がマヒしてきますが、実際のところは市民ランナーのほとんどが達成できていない難易度の高い壁となっています。

そんな高い壁となっている5km20分を、我々市民ランナーが切るにはどうすればいいのでしょうか?

がむしゃらに距離をこなせばいいのか、それとも高強度トレーニングだけを行えばいいのか。

結果から言うと、「期分け」をすれば達成できる可能性があります。

トレーニングには順序があり、それに従って積み上げていくことで、5km20分切りの達成確率が100%に近づくのです。

逆に言うと、その日の気分で練習を決めているようでは、いつまで経っても達成できないでしょう。

今回は、5km20分切りを達成するための練習計画について解説します。

練習計画の考え方

練習には積み上げていく順番があります。

イメージとしてはピラミッドが丁度いいでしょう。

土台となる部分では、基礎的な能力を鍛えます。中間部分では、基礎をスピード持久力へと統合していきます。そして、頂上付近ではスピード持久力を目標のレースへと最適化します。

このように練習を逆算して積み上げることで、目標としているレースにピークを持っていく練習方法を「期分け」と言います。

この期分けで最も重要なのが基礎期です。

土台となる基礎がしっかり作られていないと、その上に建つピラミッドが狭まってしまいます。基礎だからと言って、疎かにはできないのです。

SNS上でよく見かけるプロランナーの華々しい高強度トレーニングは、シーズン中、常に行っている訳ではなく、基礎能力を鍛え上げる期間を経てから実施しているのです。

今まで練習計画を立てて来なかった方は、この期分けをすることで、大幅に自己ベストを更新できる可能性があります。

期分けの具体例

期分けとはいっても、具体的にはどのように練習を組み立てていけばいいのでしょうか。

具体的に言うと、期分けは「基礎期」・「移行期」・「特異期」・「調整期」の4つに分かれます。

この期分けは、5kmのレースに向けた練習だけでなく、全てのレースに用いることができる練習計画手法です。

今回は、5km20分切りを目標とした期分けの例を紹介します。

【STEP1】基礎期(2か月)

基礎期では、その名の通り、基礎能力を鍛える期間です。スピード持久力の基礎となるスピードとスタミナを身に着けます。

スタミナは、ジョグの量を確保し、ミトコンドリアの量を増やすことで向上します。また、移行期につなげるために、ペース走も行います。

スピードは、スプリントトレーニングで速筋を鍛えることで向上します。また、毎回でなくていいので、ジョグの後に流し100m×3本を入れると動きによりキレが出ます。

  • 月/休息日
  • 火/ジョグ30分+流し100m×3本
  • 水/ペース走30分 設定:4分50秒/km
  • 木/ジョグ30分
  • 金/ジョグ30分+流し100m×3本
  • 土/スプリント100m×5本
  • 日/ジョグ60分

【STEP2】移行期(1~2か月)

移行期では、基礎期で鍛えた基礎スピードと基礎スタミナをスピード持久力へと統合していきます。

閾値走は、基礎期で増やしたミトコンドリアの乳酸代謝速度を上げて、LTを向上させることが狙いです。

インターバル走は、乳酸シャトルの向上や中間筋の増加を促すことで、基礎期で養ったスピード能力に持久力を持たせるイメージです。この段階では、心肺機能を追い込む目的ではないので、レストは十分に取ります。

ジョグは、基礎期で増やしたミトコンドリアを減らさないために引き続き継続します。

  • 月/休息日
  • 火/ジョグ30分+流し100m×3本
  • 水/閾値走20分 設定:4分30秒/km
  • 木/ジョグ30分
  • 金/ジョグ30分
  • 土/インターバル走400m×10本 設定:1分32秒 レスト:ジョグ2分またはウォーク2分
  • 日/ジョグ60分

【STEP3】特異期(1か月)

特異期では、レースに近い実践的な練習に取り組みます。鍛え上げた実力をレースで発揮できるように再現性を高める期間です。

  • 月/休息日
  • 火/ジョグ30分+流し100m×3本
  • 水/ペース走5km 設定:4分20秒/km
  • 木/ジョグ30分
  • 金/ジョグ30分
  • 土/インターバル走1km×5本 設定:3分55秒 レスト:ジョグ2分
  • 日/ジョグ60分

【STEP4】調整期(1~2週間)

調整期では、本番で100%の力を発揮できるように、練習量を落として疲労を抜いていきます。練習の強度は落とさずに、ここまで鍛えた能力は維持します。

  • 月/休息日
  • 火/ジョグ15分+流し100m×3本
  • 水/ペース走2.5km 設定:4分20秒/km
  • 木/ジョグ15分
  • 金/ジョグ15分
  • 土/インターバル走1km×3本 設定:3分55秒 レスト:ジョグ2分
  • 日/ジョグ30分

以下は日曜日にレースがある場合のスケジュール例です。

  • 月/休息日
  • 火/ジョグ15分+流し100m×3本
  • 水/ペース走2.5km 設定:4分20秒/km
  • 木/ジョグ15分
  • 金/ジョグ15分
  • 土/ジョグ15分
  • 日/レース本番5km